スタッフブログ

ビタミンD不足、卵子減少に影響か

2013.09.06

ビタミンD不足、卵子減少に影響か

「体脂肪率が低かったり、ビタミンDが不足している女性は、若いうちに卵子の数が減少する傾向があり、将来、不妊につながる可能性があることが順天堂大学などの研究グループの調査でわかった」と報道されています

「研究グループは、20代と30代の100人の女性を対象に、卵子の残りの数を推定できるとされるホルモンの量と、生活習慣や食生活など、およそ600項目との関連を調べた」とのこと。

その結果、「卵子の残りの数が40代と同じくらい少なくなっていると推定された女性は、20代の場合は、体脂肪率の平均が22.6%とそのほかの女性の平均より4%低くなっていたほか、30代は、血液中のビタミンDが不足状態だった」というのです。

「卵子の残りの数を推定できるホルモン」とは、おそらく、AMH(アンチミューラリアンホルモン」のことだと思いますが、卵巣年齢の目安とされているホルモンです。

要するに、20代では脂肪が少ないと、そして、30代ではビタミンDが不足すると、卵巣内の卵子が早く少なくなってしまうというのです。

女性は、毎日、精子をつくり続けている男性とは違い、新しく卵子をつくることはしませんので、卵巣は、卵子が早くなくなってしまうのは、妊娠するには不利になります。

なので、この順天堂大学の研究結果は、妊娠を望む女性にとっては、とても大切なことを教えてくれているわけです。

もちろん、今のところ、体脂肪率が低い女性やビタミンDが不足している女性ほど、卵子が早く減っていることがわかったということであって、それらの因果関係やメカニズムが明らかになったというわけではありません。

ただ、脂肪も、ビタミンDも、妊娠や出産を根本的なところで支えている、「超」重要な役割を担っているということの証拠が増えたことは間違いありません。

さて、やせ過ぎたり、太り過ぎたりすると、妊娠しづらくなることはよく知られていると思いますが、ビタミンDはそれほどでもないかもしれません。

そもそも、ビタミンDは脂溶性ビタミンの一つで、主な働きとして、カルシウムの吸収を助け、健康な骨をつくることが知られていました。ところが、近年、その他にも、多岐に渡る働きがあることが明らかになっていて、その中の1つに、ビタミンDが妊娠、出産にとても重要な役割を担っていることもわかってきました。

たとえば、ビタミンDと妊娠する力の関係では、40代ではビタミンD濃度が低い女性ほど、卵子の減少が早い、そして、卵胞液中のビタミンDの濃度が高いほど体外受精の妊娠率が高い、また、PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)の女性はそうでない女性に比べてビタミンDが不足がちで、ビタミンDを補充することで排卵率が改善されるなどの報告があります。

女性だけでなく、男性にとってもビタミンD濃度と男性ホルモンや精液の質と関連についての多くの報告があります。

また、ビタミンDの濃度が高い女性は、子宮筋腫にかかるリスクが低いという報告もあります。

一方、ビタミンD濃度が低い妊婦ほど、妊娠や出産のリスクが高くなると言われています。

まさに、新しい命が健康に育まれるうえで、とても重要な働きを担っていることがわかります。

——

そんな重要なビタミンDなのですが、日本骨代謝学会によると、日本人の成人の70〜80%が不足している可能性があると言うのです。

ビタミンDは体内で合成されるという珍しいビタミンで、日光にあたること(紫外線)によって、コレステロールを材料にしてつくられています。そのため、普段の食事から十分に摂れなかったり、極端に紫外線を避けるような生活は、ビタミンD不足の原因になります。

そのため、妊娠を望むカップルにとって、意識的にビタミンDを摂取することが大切です。

バランスのよい食生活だけでなく、少なくとも週に2回、5分から30分、日焼け止めクリームなしで日光を浴びる、さらには、1日に15〜50マイクログラムをサプリメントで補充することです。因みに1日の推奨摂取量は15~20μgです。マルチビタミンミネラルフォーウィメンには羊由来の天然のビタミンDを15μg配合しています。

そして、とにかく脂肪は健康に悪いとか、紫外線にあたってはいけないという考えも、改めたほうがよさそうです。

妊娠、出産には、ベーシックな栄養素のバランスを整える生活を心がけることが、なによりも優先されるべきことを、改めて、教えてくれていると思います。

ページトップへ